課題解決事例

装置の動作速度向上とメンテナンスの簡略化

既存装置(パイプベンダー)では、ボールねじを使用している。

ロングストローク仕様の新機種開発を検討するが、長尺のボールねじではたわみが発生し、振動が大きくなってしまう。また、タクトタイムが長くユーザーの要求するスペックを満たせず困っている。

平歯車のラックアンドピニオンも検討したが、停止精度、騒音、メンテナンス性の問題が解決できなかった。

解決の内容・施策

高精度、高速化、静粛性向上を狙い、TCGランナーの採用を検討。

さらに、メンテナンス性を向上させるためTCG潤滑供給システム「TLS」を併用し試作・評価を試みる。

 

TCGランナーは従来のラックアンドピニオン機構と接触・噛み合いの原理が異なり、トロコイド曲線を用いた歯形状のラックとローラピンを用いたピニオンの噛み合いにより転がり接触を実現しており、ノンバックラッシで高精度な位置決めと高いメンテナンス性(低摩耗・低発塵)を有していることから採用を検討。

効果・メリット

TCGランナーの採用により、高精度を維持しつつ、高速化、静粛性向上を実現することが出来た。

またピニオンに取り付ける固形潤滑剤のTLS(TCG潤滑供給システム)を併用することでメンテナンス性が向上し、保守頻度やランニングコストの低減に貢献した。

 

*TLS(TCG潤滑供給システム)はTCGシリーズに潤滑剤を供給するシステムで、特殊な多孔質樹脂に高粘度潤滑油が含侵されており、ローラピニオンに接触させることで接触部表面に適量の潤滑剤が自動で供給され噛み合い面には常に油膜が形成される。

ピニオン回転寿命まで交換不要であり、併用により初期給油不要、追加給油不要のメンテナンスフリーを実現する。

採用製品:TCGランナー
CRA&CPA/CRC&CPCシリーズ

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