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課題解決事例

過酷な環境下での稼働を可能にする、減速機への水分侵入対策と長期安定稼働への貢献

減速機を使用している生産ラインにおいて、特定の条件下で減速機内部への水分侵入が確認されるという課題がありました。
特に洗浄工程を伴う設備や結露が発生しやすい環境、あるいは屋外での使用といった、水分に晒される頻度が高い設備においてこの傾向が見受けられました。


減速機内部に水分が侵入すると、内部の精密なギアやベアリングといった駆動部品が錆び付いたり、潤滑に使用されているグリースが水分と混ざり合うことで乳化・劣化し、本来の潤滑性能を失ってしまうといった問題が発生します。
これにより、減速機全体の摩擦抵抗が増大し、異音の発生、トルク低下、そして最終的には減速機本来の動きが悪くなるという事態に陥ってしまう可能性があり、最悪の場合、内部部品の摩耗が急速に進行し、予期せぬ設備の停止や、減速機自体の早期破損へと繋がるリスクを孕んでいました。

解決の内容・施策

この水分侵入の課題に対し「防滴仕様」の適用を提案しました。
この対策は、既存の減速機の基本性能を大きく損なうことなく、主要な水分侵入経路に特化した追加のシーリング強化を図るものです。

具体的には、出力軸とケースの間のシール部や各合わせ面など、過去の事例から水分侵入のリスクが高いと判明している箇所に対して、追加のシール材の適用、または特殊な表面処理などを施しました。
これらの改良は、減速機の外形寸法や取り付け互換性を極力変更することなく実現され、既存設備に容易に導入できるよう配慮されています。

効果・メリット

簡易防水仕様を適用した減速機を導入いただいた結果、減速機内部への水分の侵入が大幅に抑制されました。
これにより、これまで問題となっていた内部部品の錆び付きや、グリースの乳化・劣化といった問題が解消され、減速機本来の潤滑状態が長期間にわたって維持されるようになりました。この対策により、減速機がスムーズな動作を継続できるようになり、異音の発生やトルク低下といった症状の発生頻度が大幅に減少しました。
結果として、減速機の安定稼働期間が飛躍的に伸び、予期せぬ故障による生産ラインのダウンタイムも大幅に削減されました。
これは生産性の向上に直結するだけでなく、メンテナンスサイクルの長期化、部品交換頻度の低減にも繋がり、トータルコストの削減に大きく貢献しています。

採用製品:ボール減速機 BRシリーズ

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